仙台POSSE主催の講演会に参加頂いた学生さんの想い

宮城過労死を考える家族の会の代表 大泉 淳子さんと共に、福岡家族の会 代表 安徳が仙台市で行われた講演に登壇して参りました。
そこに参加された学生ボランティア様から講演後に寄せられたメッセージを皆様にも是非と思いご紹介させていただきます。

 講演名:「過労死・過労自死に直面した際にできること~教員の夫を亡くされた遺族の体験から学ぶ対処法~」
  主催:仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)
開催日時:2024年9月23日(月)10:30~13:00
  会場:エルソーラ仙台 研修室 or オンライン参加(ZOOM)

『以下仙台POSSE様Webより引用』

私は主催団体である、POSSEの学生ボランティアとして講演会に参加しました。現在教育学部に在籍し、中学校と高校の教員免許を取得している身として、今回のご遺族のお話を伺うことで、教員を含めた過労死・過労自死という問題への考えを深め、自分に出来ることを考えたい、という気持ちで参加しました。それを受けて感じたことをまとめました。

〇ご遺族の方々のお話を伺って

安徳さん・大泉さんのお話を受け、驚くべき量や質の業務が、本人の意思とは関係なく1人の人間に課せられ、長時間労働、過重労働、心理的ストレスの末に命を落としたことがわかりました。その結果、失われなくてよかったはずの尊い命が奪われています。そして、当時幼かったお子さんを抱え、夫の公務災害認定の為に奔走しながら、生活の為に日々働かなければいけなかった安徳さん・大泉さんのご苦労、幼くして父親という大切な存在を失ったお子さんたちの精神的苦痛は、想像を絶するものであると思います。過労死・過労自死は、亡くなられたご本人はもちろんのこと、残された家族の心や生活にも、あまりに大きな傷跡を残すものであることを、強く感じました。

そしてこうした長時間労働の問題が、特に教員の場合は、「自主的・自発的」な労働とみなされ、労災・公災と認められなかったり、記録がなく証拠が集められなかったりする、などの大きな困難もつきまとうことが、今回のお話で見えてきました。社会には「本人の体調管理に問題があったのではないか」「本人が勝手に頑張りすぎていただけではないか」などの論調も根強く残っています。ただでさえ大切な人を亡くして精神的に苦しい中で、多くの遺族はこうした周囲からの心無い言葉等の二次被害に苦しんでいるのではないかと思います。

しかし、いうまでもなく過労死・過労自死は社会全体の問題です。責任は亡くなった本人や遺族ではなく、こうした働き方を許容、もしくは強制した学校や企業側にあります。そして過労死・過労自死は、特殊で例外的な問題ではなく、労働環境によってどの職場でも引き起こされ得るものです。だからこそ、この問題を働く人全員に関係する、社会全体の問題と捉え、過労死・過労自死をなくしていく必要があると思いました。

教員の長時間労働・過重労働は依然として深刻です。国の調査では、中学校教諭の3人に1人が過労死ラインを超えて働いており、精神疾患による休職者数は過去最多の6,000人を超えたことがわかっています。こうしたブラックな労働環境を忌避する傾向が強まり、学校現場の教師不足は学校が維持できなくなるほどまで深刻化しています。人々の命や健康を守ることで、社会全体のサービスや子どもを育てる環境をより良いものにするためにも、働く人の命を最優先した社会の実現が求められていると感じます。

文章:学生ボランティア(20代女性)

引用元の記事全文も是非ご覧ください。
過労死・過労自死のない社会の実現のために~教員の夫を亡くされた過労死遺族の方々のお話を聞いて~ – NPO法人POSSE仙台支部

併せて、共にご登壇された宮城過労死を考える家族の会のWebサイト
宮城過労死を考える家族の会 – 東北各県の過労死遺族が集まり、過労死をなくすため組んでいます。

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