『絶対過労死だ』
主人が亡くなってすぐに思ったことです。
出張先のホテルで「くも膜下出血」になり、そのまま亡くなった主人。
会社は最初「会社の方で葬儀をするかもしれません」と言ってきました。
が、1時間もしないうちに
「会社は関係なかったです。葬儀には会社の人間を貸せます。」と。
出張先で亡くなったのに?
会社のために出張していたのに?
関係ないの?
すべてが疑問でした。
『過労死認定は大変』
どこからかそんな噂も聞こえてきました。
どうしたらいい?と不安な思いばかり。
早くに、過労死家族の会を知っていればスムーズにいったことでしょう。
何も知らない私は、たくさん遠回りをして今の弁護士へお願いすることに。
初盆参りに来た会社の方からは、帰り際
「労災は認めませんから!」と激しい口調で言われました 。
お参りに来たわけではなかったんだ...
あなたに何が分かるの?
あなたの子どもがこうなっても言えるの?
主人が勤めていた会社には感謝の念さえあるのに
遺された家族の悲しみに寄り添ってはくれない。
辛い毎日でした。
当時小学1年生の長女は、夏休みに夫へ手紙を書きました。
「パパ、しごとがんばってくれてありがとう。
いつもいそがしいのに、あそんでくれてありがとう。
よるのふたりだけのさんぽ、いろんなはなしができてたのしかったよ。
ありがとう。
じゅぎょうさんかん・うんどうかい・はっぴょうかいに
いつもビデオもってきてくれてありがとう。
じてんしゃの のりかたおしえてくれて、ありがとう。
さいごのプレゼントありがとう。
てんごくでみまもってね。」
娘が言います。
「パパはいつも遅く帰ってきてたよね。
仕事頑張っていたんだよね。」
子どもたちは覚えてくれている!
私にとって、子どもたちの笑顔が救いでした。
夫がどれほど働いていたか、会社だってわかっているはずなのに...
丸5年たちました。まだ、労災の認定はおりていません。
昨年、脳疾患などの労災認定方法が改正され、良い方向に変わるのではと期待はしています。
それでも、労災認定を受けるのはイバラの道だと感じます。
遺族はなぜ、戦うのでしょうか?
家族によっていろいろな思いがありますが、
〈生きた証〉が欲しいのではないでしょうか。
それで、救われることもあります。
すがりたいのです。
頑張って仕事をしている姿を一番近くで見ていたから。
(福岡家族会会員)