啓発授業in西南女学院大学② 講師インタビュー

西南女学院大学での啓発授業で講師として学生の前でお話された、過労死遺族の安徳晴美さんに、授業の様子を伺いました。

安徳さん顔 啓発授業 

―何人くらいの学生さんにお話しされたのですか?
220人の学生さんへの授業を2コマ担当させていただきました。
計400人程度です。

―学生さんの様子はどうでしたか?
この授業が初めての啓発授業でした。最初は不安もあったのですが、学生さんたちは熱心に話を聴いてくれ、「届いた」感覚を持ちました。

―どのようなことを話されたのですか?
遺族として体験談と想いを学生に届けました。私の夫がいかに過重な働き方をしていたのかという実態、教員の働く環境の問題点などです。
過労死遺族としての私の経験、それを通して考えた「働くこと」の意味やルール、困ったときにはどうしたら良いか、などを伝えました。

過労死で命を奪われたご主人は教員でしたね。教員の働き方について、どのようにお考えですか?
「生徒のためなら」という教師の聖職意識の強さは、多忙さの一因です。
それでも、教員も一人の人間であり、大切な家族がいます。
「先生なのだから、してくれて当たり前」という、この「当たり前」を一度考え直してみてください。

―「過労死」を繰り返さないために、私たちにできることはあるでしょうか?
管理職はもちろんですが、周りにいる人達が安全配慮をすれば、過労死は防ぐことができると考えています。世の中の意識を少し変えることで、防ぐことができるのです。
若い世代が命を落とすことなどない、環境や働き方を望みます。
私たち家族のような悲しい人生を歩む家族が繰り返されては、いけません。


福岡、九州においてはまだまだ啓発授業の実績が少なく、その普及、浸透が大きな課題です。
学校関係者の方で、もし興味がございましたら、以下のリンクをご参照ください。

啓発授業とは?
過労死等防止対策推進法(平成 26 年法律第 100 号)に基づき、過労死等の防止対策として厚生労働省が実施する教育事業です。
対象は、中学、高校、専修学校、大学、短期大学の生徒・学生です。
有識者(主に弁護士)が労働問題や労働条件に関する法知識について講義を行い、遺族からは大事な家族を失った体験談、命や健康が何よりも大事であることをお話しいたします。
なお、講師派遣に関する費用は厚生労働省が負担します。

啓発(講師派遣支援)事業の詳細は厚生労働省「過労死等防止対策等労働条件に関する啓発事事」をご確認ください。

啓発授業のお申し込み方法は、2019年度 厚生労働省委託事業「労働問題・労働条件に関する啓発授業」をご確認ください。

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